カクカクした変則的なフォームの多田野数人

画面から消える魔球「スカイツリーボール」を投げる投手。カクカクした変則的なフォームからの手投げは球速は出ない代わりにコントロールが安定するメリットがあり、打者の手元で微妙に変化するアメリカ仕込のテクニックで主に中継ぎで活躍、ローテーションを守った年もあった。

キャリア終盤は敗戦処理を任されることが多かったが、多田野が登板すると観客が湧き、敗色濃厚で意気消沈したファンを喜ばせた。

また、巨人との日本シリーズで、巨人の選手がインハイに来た球をバント失敗してひっくり返った際、最初はファールと判定したのに原監督の抗議後デッドボールと変更し、多田野を退場処分にした。日本シリーズ史上初めて危険球退場になった事件は「世紀の大誤審」としていまだに語られている。

TDNと呼ばれ

東京六大学野球リーグ屈指の右腕投手としてドラフトの目玉となるはずだったが、インターネットや週刊誌で「ゲイビデオに多田野そっくりの男優が出演している」と噂になり立教大学野球部の監督が事実と認めたため、指名回避が続き単身渡米し入団テストを受けマイナー契約にこぎつけた。

アメリカでもゲイ疑惑をかけられ、それに対して「生活苦のためビデオに出たのは事実ですが二度と同じ過ちはしません、僕はゲイではありません」と説明。日本に帰って来てからもその事でTDN=ゲイの隠語のような扱いで陰口をたたかれ続けた。

しかし過去の過ちを素直に認めて謝罪し、それと向き合いひたむきに野球に取り組む姿勢がファンの心を掴みました。